「また会いましょう」が、「またねー」になった。

2012年11月。

新婚旅行で、イタリアとフランスを巡るツアーに参加した。

なかなかの弾丸ツアーだった。

朝は早い。

夜は遅い。

移動は長い。

新婚旅行なのに、まあまあ過酷だった。

ツアーには、私たち以外にも何組かの新婚夫婦が参加していた。

観光地を巡っていると、どうしてもやってくる。

「写真お願いできますか」

夫婦二人で写真に入りたいから、誰かにお願いする。

撮ってもらったら、今度はこちらが撮る。

そんなことを何度かやっているうちに、

なんとなく、

「あの夫婦、合うな」

と思う二人がいた。

優しい雰囲気で、向こうも私たちのことを気に入ってくれている感じがした。

朝早くから夜遅くまで、長い移動を繰り返す。

そんなツアーを何日も一緒に回った。

そして帰国。

空港で飛行機を待っている間も、その二人はずっと一緒にいてくれた。

そこで、

「また会いましょう」

となった。

そして約半年後。

2013年の夏に、本当に会いに行った。

何年か経って、この頃の話になると笑われる。

「本当に来たよね」

どうやら、まさか本当に来るとは思っていなかったらしい。

行くよ。

また会いましょうって言ったんだから。

それから、ほぼ毎年会っている。

会えない年もあったけど、ディズニーに行ったり、箱根に行ったり。

家にも何度も泊めてもらっている。

会えば、新婚旅行の話もする。

「イカスミのパスタ、味しなかったよね」

何回この話をしたか分からない。

でも、またする。

あの頃は、二人と二人だった。

それからお互いに子どもが二人ずつ生まれて、

今は4人と4人になった。

子どもたちも、会うのを楽しみにしている。

去年の夏も、8人でディズニーランドに行った。

もちろん、また家に泊めてもらった。

子どもたちにとっても、自分たちの人生に最初からいる大切な家族みたいな人たちになっている。

考えてみれば、

始まりは、

「写真お願いできますか」

だった。

今でも会う日は一大イベントだ。

会った瞬間、お互いににやにやする。

いい大人が、にやにやする。

妻も、二人に会いたがる。

私も会いたい。

子どもたちも会いたい。

だから、また会う。

帰るときは、やっぱり名残惜しい。

でも、

「またねー」

と帰る。

2012年。

最初は、

「また会いましょう」

だった。

あれから14年近く。

今は、

「またねー」

になった。