妻が旅行から帰ってきた。
帰ってきたのは、23時過ぎ。
そのとき、みんな寝ていた。
朝になると、子どもたちは妻にしきりに話しかけていた。
話したいことが、たくさんあったらしい。
妻は朝ごはんを作り始めた。
味噌汁と目玉焼き。
いつもの光景だった。
それを見て、
やっと解放された。
と思った。
何から解放されたんだろう。
妻がいない間、料理を作った。
習い事の送迎もした。
子どもたちの予定も確認した。
予定は子どもたちにも共有していた。
それでも、なんかずっと引っかかっていた。
今日、何かあったっけ。
明日は何だっけ。
習い事は何時だっけ。
晩ごはんは何にしよう。
何か忘れてないよな。
忙しいという感じでもない。
ものすごく大変という感じでもない。
ただ、なんとなく何かが引っかかっている。
少し重い。
実際、英語は忘れた。
火曜日の19時になって、
「今日、火曜日よね」
と気づいた。
英語は18時から19時だった。
もう終わっていた。
妻がいるとき、私はこういうことをほとんど考えていなかった。
妻から、
「今日はこれお願い」
と言われれば動く。
でも、妻がいないと、その「これ」が何なのかを自分で把握しておかないといけない。
今まで、そんなことを考えたこともなかった。
妻が帰ってきて、朝ごはんを作っている。
いつもの朝に戻った。
それを見て、
やっと解放された。
と思った。
そこで初めて、
ああ、ずっと何か持ってたんだな。
と思った。
でも、全部また妻に任せていいんだろうか。
そこはちょっと引っかかっている。